大気中に分散した汚染物質の量の測定法には、積算鼓測定法と濃度測定法とがあり、濃度測定法と、自動測定装置による連読濃度測定法があります。


都市の大気に含まれる主な汚染物質の亜硫酸ガス、オキシダント、チッ素酸化物、一酸化炭素、炭化水素などは、自動測定装置によって観測されることが多いです。


自動測定装遺は、一定量の吸収液中に一定旦里の空気を通じて吸収された汚染物を比色法や電気伝導度法によって測定する作業を、一定時(ふつう1時間)ごとに自動的に行ない、記録するよう設計されています。


瞬間濃度だけを測定する方法には、検知管を用いる簡単な方法や、ガスクロマトグラフを用いる
方法があります。


亜硫酸ガスの環境濃度測定には、電気伝導度(導電率)法が広く用いられています。


この方法は吸収液として硫酸で酸性にした薄い過酸化水素を用いるものです。


大気中の亜硫酸ガスは過酸化水素と結びついて硫酸になります。


吸収液中に生成された硫酸の量と電気伝導度は比例関係にあるため、吸収液の電気伝導度を測定することによって、大気中の亜硫酸ガス濃度が求められます。


この方法は原理が簡単なため広く用いられていますが、亜硫酸ガスだけでなく、三酸化イオウ、硫酸ミストを含めて測定するため、正しくは、イオウ酸化物の濃度を測定したといわなければなりません。


また塩化水素のように、電気伝導度に影響をおよぼすガスにも感じるという欠点があります。


亜硫酸ガスだけがもつ還元作用を利用して測定するヨードデンプン法や、ロザニリンホルマリン法を用いれば、三酸化イオウや硫酸とは別に亜硫酸ガスだけの濃度を測定することができます。


しかし現在では、自動測定装置に採用されていません。


また、たとえこれらの方法を用いたとしてもオキシダントのような酸化物や硫化水素などの妨害を受けるため問題は残ります。

大気の汚染度を測る理化学的方法の原理と問題点を知ることは、植物指標を正しく理解することにつながります。


わたしたちが都市や工業地帯の汚染度を知ろうとする場合、ただちに手に入れることのできる資料は、自治体などで観測され、公表されている数値しかありません。


ここでは、代表的な汚染物質である亜硫酸ガスとオキシダントの2つについて、その測定法と問題点を検討することにします。


煙突などの汚染源から排出される汚染ガスの濃度は、重油燃焼式の火力発霞所で0・1~0・2パーセントぐらいです。


排出濃度をつねに監視することも汚染対策上重要ではですが、排出濃度の高低と大気中で薄められた環境濃度の高低との関連は少ないものです。


環境濃度に関係するのは汚染源から排出される汚染物質の時間当たりの総量です。


排出濃度を減少させるには煙突に空気を送って排出ガスを稀釈するだけでも可能です。


排出濃度の規制は、汚染対策上なんの意味もありません。


すべての汚染源について総量規制されるべきです。


総量規制は、1つ1つの排出源についてではなく、1つの地域全休の大気を考えて行なわなければなりません。


ある地域についての総排出量規制が、いわゆる「環境容量」の考え方です。

日本では、いままでのところ、ほとんどの自治体が、大なり小なり事前告知制度をとっています。


大部分は、内部の要綱、要領、基準などの取りきめで行っており、条例そのものに、これを盛りこみはじめたのは、比較的新しく、昭和59年10月施行の長野県、大阪府と64年4月施行の東京都がそうです。


(59年6月に要綱でスタートした岡山県も、採用しています。)


長野県の公文書公開条例第10条は、「実施機関は、個人、法人その他の県以外のものに関する情報が記録された公文書の公開をしようとする場合において、必要があると認めるときは、当該県以外のものに通知するものとする」とあります。


"必要があると認めるとき"と県当局の自主判断の姿勢は示されているものの、通知することがハッキリとうたわれています。


大阪府の場合は、公文書公開等条例第12条(公文書の公開の決定及び通知)の第6項に、「実施機関は、第1項に規定する決定を行う場合において、当該決定に係る公文書に記録されている情報が第三者に関するものであるときは、あらかじめ当該第三者の意見を聴くことができる」


・・・となっています。


第1項は公開の請求に対して、公開するかどうかの決定を直ちに(相当の理由がある場合にあっては、当該請求を受理した日から起算して15日以内に)行うことを示しています。


このときの憲法小委員会には、市民団体の代表としてジョアン女史が出席、改正191案に対する批判を行っています。


「現在の法律の"営業上の秘密"の除外規定は企業情報の提供者が競争上の不利益を被ることのないよう、彼らを適切に保護しており、私たちは、国立公園・保護協会対モートン事件で解釈されたような、この規定を弱めようとする、いかなる試みにも反対である」


「すべての情報提供者に対して機械的に通知して意見を聴取する期間を義務づけるとすれば、それは貴重な情報の入手を不必要に遅らせ、運用上の費用と負担を不当に大きくする結果になる」


「行政機関が確信を持てない場合、企業乏協議したいであろうことは、私たちも理解する。


しかし、誰でも知っているように、企業はほとんどの文書に機械的にマル秘の印を押している。


これまで、行政機関がやってきた判断で誤った事例はそんなにたくさんはない。


たとえばFDAにおいても、この種の情報が過失によって開示された事例は極めて稀にしか生じていない」


・・・などと、批判しています。


同じ日の同小委で、チャールズ氏がアメリカ新聞発行人協会、アメリカ新聞編集者協会、全米新聞協会を代表して公述していますが、事前告知制度の法制化については、これが開示を遅延させないようといった条件つきながら、賛成しているのが注目されます。


83年4月18日の上院司法委員会憲法小委員会で、司法省法肇局司法次慕のジョナサン・c・ローズ氏は、企業情報に関する改正案について、次のように見解を述べています。


少し長いですが、とても興味深い内容です。


「毎年、数多くの企蒙、政府に対して、非常に重要な、また秘密性の高い、営業上の秘密及び企業情報を提供しております。


しかしながら情報自由法には、政府がこのような情報を公衆に対して開示しようとする際にも、その旨を企業に通知する義務が規定されております。


この欠点の深刻さは、最近のモンサント社の不幸な経験が示しているとおりであり、法律の規定に基づいて、モンサント社は環境保護庁に、画期的な効力のある除草剤の組成を総括報告の中に含めて提出しました。


そして判断を誤った環境保護庁の職員が、モンサント社に通知することもなく、情報自由法に基づく他社からの請求に応じて、その組成のデータを開示してしまったのであります。


実際には、情報自由法が環境保護庁に対して、モンサント社の秘密の組成データを請求者に引き渡すことを義務づけているとは解釈できません。


しかし、開示の予定があるということをモンサント社が事前に知らされていなかったために、環境保護庁又は裁判所において開示に異議を申し立てる機会が得られなかったのです。


モンサント事件は、昨年5月に司法委員会が法案1730号(注、774号と実質的に同一のもの)に関する報告を提出してから以後に起こったものです。


このことは、同法案が情報自由法に基づいて営業上の秘密や微妙な商業上の情報を公開しようとする政府機関に対して、事前に当該企業に通知することを義務づけていることの賢明さを示しております。


そして、法案774号は、この非常に必要性の強い規定を含んでいるものであります」。


1983年6月16日に上院司法委をパスした上院法案774号は、異常のような企業側の要望が大きく取り入れられた改正案となっています。


その内容はこうです。


1.行政機関に情報を提出するときに情報提供者は商業、調査、財務もしくは取引上の秘密であり、FOIAの適用除外にすべきであることを指定する。


2.行政機関は情報公開の請求があった場合、請求の受理後10日(日祝日を除く)以内に情報提供者に対して通知する。


そして請求の性格や範囲を示し、この請求に対し書面による異議を提出する権利がある旨を教示しなければならない。


3.情報提供者は、開示すべきでないと主張する理由を示した書面による異議を行政機関に提出することができる。


4.行政機関は、この件に関する最終決定を情報提供者に通知しなければならない。


5.情報提供者による開示除外の指定がなされていない文書、行政機関がはじめから開示拒否を決めたとき、法律で公開が決められている場合などには、右のような通知は必要でない。


6.情報公開を請求したものに対しても事前告知のことを通知しなければならない。


7.情報提供者に異議があるときは、行政機関はたとえ開示の最終決定をしても10日間は開示してはならない。


・・・・以上のような手続きを経たあとは、裁判で決着をつけようということになっています。


そして、その司法審査についても裁判所が公開を差しとめる権限などについて、規定を加えたり、改めたりしています。



アメリカでもらった全米工業会のパンフには、


「FOIAの理念には賛成なのだが、最初の連邦議会の意図とちがって1970年代半ば以降、行政機関、さらには裁判所も開示を支持する方向に不当にも傾斜するようになった。


開示優先の結果、この法律は個人的な目的のために、行政機関が持っているファイルをあさる許可証に変えられてしまった」


「事前告知の基準が統一されていないため、ある行政機関はそのような通知の提供を拒否するのに対し、他の機関は機械的に通知している。


さらに、そのような通知をその場かぎりとしてのみ提供する行政機関もあって情報提供者の権利を失わせている」


・・・などと、事前告知制度の確立を強くアピールしています。



商務省は、


「年間2000件の請求数は少ないようだが、多くの資料がこちらから先に公開されているからである。


情報提供者に対する事前告知は義務的でないが、実施している。


提供者が"開示は困る"と抗議したケースもあったが、裁判上の争いになったものはない」


・・・といい、環境庁も


「企業情報は任意情報が少なく、義務づけられたものが大半である。


企業から出た段階で秘密かどうか指定してもらうが、企業が秘密としたものをくつがえしたケースはしばしばある。


事前告知は行っており、その場合、司法審査、つまり逆FOIAの途があることを相手に教示している。


環境庁の情報公開は分散処理をしていて、集中処理をしているところとちがって事前告知に人手はあまりかからない。


1976年以降、環境庁独自のガイドライソができていて、公開、非公開の判断は細かにできている。


そして、住民の健康、生命に関する情報は出すように、企業に指導している」


・・・と述べています。


環境庁の見解の中で出てくる逆FOIA訴訟というのは、官公庁が開示するのを差しとめる訴訟で1970年代になって、しばしば見られるようになりました。


企業としては、その間に時間がかせげますし、場合によっては非公開に成功することになります。


しかし、その前の事前告知が、制度的に確立していなくてはなりません。


現行法には、それらの制度が明定化されていません。


そのため、トラブルが続発したわけだが、長年の運用の積み重ねの中で、実際には、事前告知制度が各省庁や州政府、各自治体で行われています。


司法省の幹部は「政府の各機関に、そうしろと指導している」といい、各省庁をまわってみても、そのような返事が返ってきましたが、FDAだけは、事前告知については冷淡である、という人が多いです。


FDAへ行った東京都調査団の調査報告書ではFDAの見解として、


「年間3万4400百件(1982年)の公開請求の71%は企業関係である。


請求内容は品質検査の報告書に関するもの22%、薬品の認可に関するもの18%、FDAの諸ルールに関するもの10%。その他過去の公開請求についての処理結果など、となっている。


請求があった場合、通常の判断は現場の責任者が行っているが、拒否の判断はアソシエート・コミッショナーのみが行う。


事前告知は現行制度で義務づけられていないし、公開は細心の注意を払ってやっているのでFDAとしてはその必要性は認めていない(過去2年間で、公開について抗議があったのは9件)。


しかし、上院の改正法案には事前告知制が導入されようとしている。


これを実施すると40人分の事務量と400万ドルの経費増が予想される」


・・・となっています。

「何人にも」請求権を求めているのを「アメリカ国民」に限定するなどを骨子とした改正法案は、これまでも度々、議会で論議されてきました。


1984年11月の大統領選で、沙汰やみになったわけですが、いずれまた、その法案を軸に改正の動きが出てきそうですね。


この改正案の中の大きな目玉が、全米工業会など財界、産業界が強力に推進している企業秘密の保護強化です。


そのまた目玉が、事前告知制度。


日本と同様、アメリカの官公庁も、企業に関する情報をたくさん持っています。


自らの手で作成した情報や文書もありましょうが、企業などの第三者に協力を求めたり、あるいは提出させた第三者情報が非常に多いのです。


この第三者情報を開示するときは、事前に、その第三者へ連絡、通知して、開示して具合の悪いことはないかなどを聞くべきである、というのが、事前告知制度です。


そして、アメリカの企業家たちは、告知したあと、企業側に開示をストップさせる手段と時間を制度的に与えよ、と強く要求しています。


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