こうした賃金上昇に耐えかねて、工場の移転・再編に取り組む日系企業が増えています。
日本の大手通信機メーカーのユニデン・グループは88年に主要生産・輸出拠点を台湾からフィリピンに移転しました。
89年にはグループの総生産量のほぼ半分をフィリピンに集中する計画です。
輸出専門の組み立て産業では通貨情勢、人件費が競争力を左右します。
移転の理由は台湾ドル高、人件費の高騰です。
人件費が台湾のほぼ3分の1で済むフィリピンに移転、競争力を維持しようとする当然の企業行動です。
三洋電機も台湾、シンガポールの労働力不足に対応して、音響製品部門の生産体制再編を進めています。
台湾ではこれまで音響工場は2ヶ所に分散していましたが、比較的労働力が得やすい南部の台南工場に生産を集約しました。
シンガポールでも労働集約的な組み立て部門は人手不足で今後採算に乗せるのが難しいとして、組み立て工程をマレーシアのグループ工場に移すことにしました。