煙害または鉱害と呼ばれてきた古い型の大気汚染が、今日でもなおいくつかの地域で見られます。
そのうち、わたしたちが直接眼にふれる機会がもっとも多いものは、瀬戸内海の直島製錬所の周辺でしょう。
ここは、足尾荒廃地ほどの面積ではないのですが、交通の要所にあり、人びとの眼につきやすいため、大気汚染の影響を知るのにもってこいです。
直島は、本州と四国を結ぶ大動脈の宇高航路の途中にあります。
国鉄の宇高連絡船が岡山県の宇野港を出航して間もなく前方にいくつかの小さな島が見えてきます。
それらの島々には緑がほとんどなく、花こう岩の風化した土壌がむき出しとなり、山腹斜面には雨水の浸食によって生じたいくすじもの深いミゾが切れ込んでいます。
緑色は岩陰のところどころに、ごく小さな茂みが見えるだけです。
瀬戸内海は晴天が多いのです。
陽光に照らし出された、まばゆいばかりの島影はむしろ感動的ですらあります。
この島にはめずらしい野菜 種も数多く存在しています。